遺言書Q&A

未成年者でも遺言することは可能ですか?
 未成年者でも、満15歳以上であれば遺言をすることは可能です。なお、未成年者の法律行為は一般に親権者等の同意や代理によりますが、遺言のような身分関係に関するものは、原則として親権者等が同意または代理してすることはできません。

愛犬に財産を遺贈することはできますか?
 財産を譲り受けることができるのは人や法人に限られますので、犬や猫などのペットに直接財産を遺贈することはできません。しかし、親しい友人などに対して、ペットとその飼育費用としての財産を遺贈し、遺言者の死後に面倒をみてもらうといったことは可能です。実際にそのような遺言を残されている方もいらっしゃるようです。ただ、受遺者がしっかりと面倒をみてくれるのかどうかは保証できませんので、相手方と信頼関係があり、また事前に相手方の意思を確認するなどしてから遺言をされるべきでしょう。

ビデオで録画したり、テープに録音してする遺言も有効ですか?
 ビデオやテープ録音による遺言は法的には無効であるとされています。遺言は原則として書面によらなければなりません。ビデオやテープなどは簡単に編集等ができることから、変造されたりする可能性が高いため、有効な遺言として扱うことはできないでしょう。

フロッピーディスクに保存した遺言は有効ですか?
フロッピーディスクに保存した遺言も法的には無効です。そもそも自筆証書遺言であれば、自ら筆をとって紙に書く必要があるのです。フロッピーディスクでは改ざんされる可能性も高いでしょう。ハードディスクに保存していたとしても、さらに暗号化等をしていたとしても無効です。

自筆証書遺言をパソコンで印字して作成することはできますか?
 自筆証書遺言をパソコンで印字して作成することはできません。自筆証書遺言はその全文を自書しなければなりません。ワープロ、タイプライター、コピーなどによる作成は無効です。一方、カーボン紙による複写は許されるとするのが判例です。しかし、可能な限り自ら筆とって普通に自書したほうがいいでしょう

印鑑でなく、拇印が押されている自筆証書遺言でも、有効ですか?
判例で有効であるとされていますが、原則どおり印鑑を押す方ががまちがいないでしょう。

印鑑の代わりにサインがされている自筆証書遺言でも有効ですか?
 押印する慣習のない外国人の場合であれば認められることもあります。しかし、日本人の場合には認められる可能性はほとんどないと思われますので、しっかりと印鑑を押すようにしましょう。

遺言書に訂正したい個所があるのですが、どうすればよいのでしょうか?
 訂正の仕方は、改ざん防止のため、厳格に定められています。まず訂正する個所を二本線で消し、その横に訂正後の文言を記入します。さらに訂正個所に印鑑を押し、欄外に「〜行目、〜字削除、〜字加入」と記載し、かつ署名しなければなりません。というわけで、大変めんどくさい手続になっています。よって初めからすべてを新しく書き直すのが無難です。

日付を「平成13年7月吉日」と記載した自筆証書遺言でも有効ですか?
 自筆証書遺言には、遺言者自身が全文および日付を自書しなければなりません。この場合に記載する日付には、年月日を記載しますが、その『 日 』までもが特定できるものでなければなりません。よって、『平成13年秋分の日に』などというのは有効であると解されますが、『平成13年7月吉日』といった記載は無効であるとされています。『年月日』まで特定し、しっかりと記載するようにしましょう。

家族に対する感謝の気持ちを記したいのですが、記載しても大丈夫でしょうか?
 遺言書に、家族に対する感謝の気持ちを記したりすることは、遺言者自身の自由ですし、むしろ望ましいことでしょう。そのような記載は、法的に意味がないというだけであって、それらの記載によって遺言が無効になるといったようなことはもちろんありません。

夫婦で一緒に一つの遺言書を作成したのですが、このような連名での遺言は有効でしょうか?
 原則として、2人以上の者が同一の証書をもって連名で遺言をすることはできません(民法975条)。遺言が共同してなされた場合、その一方の遺言に変更や無効事由があったときに、もう一方の遺言をどう扱うかといったような複雑な問題が生じることとなってしまいます。よって法は連名での遺言はできないとしました。遺言は連名でなされているが、実質的には単独でした遺言であるとして、その効力を認めた判例や、綴り合わされた証書を切り離すことができ、これによって独立の証書としてその効力を認めうるといった判例も出されてはいますが、非常に例外的な事例です。夫婦で遺言をするときでも、それぞれ独立した遺言を作成するようにしましょう。

祖父が自筆証書遺言を作成したいのですが、祖父自身では書くことができません。家族が手を添えてあげたり、代筆したりして作成した遺言も有効ですか?
 自筆証書遺言は、遺言者の筆跡から遺言の真正を判断するため、自分で筆をとって全文を自書するのが大原則です。手を添えて書いた場合すべてが無効となるとは言えませんが、なるべく手を添えるようなことは避けるべきであるといえるでしょう。また以上のことから、代筆によって自筆証書遺言を作成することもできません。 遺言者が自書することが困難な状態にある場合は、公正証書遺言によることをお勧めします。公正証書遺言は、公証人に自宅や病院まで出張してもらって作成することもできます。