合同会社(LLC)は、出資者自らが業務執行を行うことが原則です。これに対して株式会社は、出資者である株主が取締役を選任し、取締役が業務執行を行うことを予定しているところが大きく異なります。

 それでは、新たに設けられた合同会社には、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。

LLCのメリットとデメリット

 まずは、株式会社と比較した場合のメリットとデメリットです。比較の対象としている株式会社は、これまでの典型的なパターンである、取締役3人、取締役会、監査役、株主総会で構成される会社を念頭においています。新会社法での株式会社は、株主総会、取締役1人での機関構成も可能(有限会社型)なので、その場合合同会社との差は小さくなります。

●株式会社と比較した場合の合同会社のメリット
・迅速な意思決定
・手続コストの削減(株主総会等の開催、官報公告等)
・現物出資に対する検査役調査等の手続がない
・利益や権限の配分が出資金額の比率に拘束されない

●株式会社と比較した場合の合同会社のデメリット
 ・対外的な信用がない
 ・社員が多数になることを予定していない

 迅速な意思決定では、株式会社の場合は迅速性に欠ける面があります。特に、重要な事項について、株主総会の決議が必要になることは言うまでもありません。加えて、株主への通知、株主総会の開催という一連の手続を経なければなりません。もっとも新会社法では、株式会社でも多様な機関設計が可能になるので、どのような機関設計にするのかにより事情は異なってきます。これに対して合同会社の場合には、このような手続は必要でなく、迅速な意思決定が可能です。

 またこれと関連して、手続コストも低減することが可能になるのです。「現物出資に対する検査役調査等の手続がない」という点については、少し説明が必要だと思います。現物出資とは、金銭での出資に代えて、事業の実施に必要な財産や特許権などの知的財産権を出資の対象とすることです。

 株式会社の場合、例外はありますが、裁判所の選任する検査役の検査が必要になります。数か月の期間と検査役への報酬が必要となるのですが、合同会社の場合にはこのような手続が不要です。従って現物出資を行う必要がある場合には、合同会社の方がより柔軟性があるといえるでしょう。

 例外とは、新会社法では、500万円以下の財産及び市場価格のある有価証券について市場価格を超えない場合は、検査役の調査が不要とされていることです(会社法33条10項1号、2号)。

 利益や権限の配分が出資金額の比率に拘束されないという点は、LLPと同じです。

 株式会社は、ある程度多数人から出資を募る場合にメリットが大きい。これに対して出資者は少数に抑えて、機動性を確保して事業展開を行いたい場合には、合同会社が適しているといえるでしょう。

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